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ドクターMのメディカルアドバイス
宮城県サッカー協会 医事委員長・大泉記念病院院長 松本 純
 
VOL.2 シーズン初めの注意点
 

 長い冬も過ぎてそろそろサッカーシーズンが始まります。冬の間、いくらシーズンオフだからといっても、全く運動をしないでだらだらと生活していては、来るべきシーズンに活動を再開するには持久力も体力も落ちていて、体重も増えた状態はいただけません。プロの選手のように、冬期を南半球に移動してサッカーを続けるとまではいかないとしても、サッカー以外のスポーツを行うなどして体力を維持しておかねばなりません。冬期の走り込みが春からのプレイの準備であると教えられたものです。

 さて、シーズン初めに注意しなければならないことが2つあります。1つはメディカルチェックであります。べガルタ仙台の選手も、毎年シーズン初めにはメディカルチェックを行います。身長・体重・胸囲・腹囲・臀囲・四肢囲の測定、視力・聴力の測定、胸部X線、心電図(新規採用選手は負荷心電図も)、採血、検尿、歯科検診などですが、シーズンオフの障害部または持病の部位に関してはX線を追加しています。サイベックスを使用した筋力検査、トレッドミルまたはエロゴメーターを使用しての最大酸素摂取量の測定(体力測定)なども行われます。

 実際に小中高校生がシーズン初めにこれらを全部行うことは経済的にも無理ですが、少なくとも以下の項目についてはチェックしてもらいたいも
のであります。

 
体重: 簡単に測れる上に情報としては重要です。
シーズン初めは冬期の過ごし方が伺い知れるし、シーズン中は疲労の状態がある程度わかるので、代表の選手でも遠征中などは毎朝測定しています。
視力: これも測定は難しくなく、特にキーパーでは大切であります。フィールドで周りが見えないと嘆いていた選手が実は視力が悪いということもあります。
胸部X線、心電図:突然死の原因となる特発性心筋症は、心臓肥大または心電図異常で見つかり、心エコーなどの精密検査で診断されるでしょう。特に疲れやすい子供や顔色の悪い子供では必須です。
採血: 運動選手の貧血が話題になっています。食事療法や鉄剤処方でよくなるので測定しましょう。その他肝臓や腎臓の機能なども測定しておきましょう。出血したときに周りの人に迷惑をかけることもあるのでHB抗原、HCV(C型肝炎)も測定してほしいものです。
検尿: 糖尿、タンパク尿のチェックであります。
歯科検診: シーズン中や試合直前に痛むと大変です。学校で行っていない人は受けるようにしましょう。プロの選手は虫歯など持っている人はいません。
 

以上ですが、監督、コーチは父兄の方と相談して知り合いの病院でまとめて休日などにメディカルチェックを受けるようお薦めします。

 もう1つシーズン初めに注意しなければならないのは、この時期は怪我をしやすいということであります。練習前のストレッチをいつもより時間をかけて行うこと、練習は軽めに始めること、練習後のクーリングダウンを十分に行うことが大切です。筋力や靱帯の強さ、俊敏性などが骨折、捻挫、肉離れなどの怪我を予防しているのですが、この時期は長いシーズンオフですべてが低下しています。シーズン初めに急激な筋緊張を加えることで疲労骨折やオスグットを起こしやすい時期でもありますので、あせらずゆっくり練習量をあげていきましょう。

[ Updated: 2002.2.28 ]

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