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ドクターMのメディカルアドバイス
宮城県サッカー協会 医事委員長・大泉記念病院院長 松本 純
 
VOL.5 ワールドカップ・宮城会場の医療体制とエピソード
 

 今回は、特別編として、医療班から見たワールドカップ・宮城会場の様子を書いてみます。

 6月の9、12、18日の3日間で、延べ137,053人を集めたワールドカップ宮城会場。ワールドカップということで、外人客が数多く訪れることが容易に予想されたので、医療体制の準備も開催決定と同時に始められていました。

Aグループ:FIFA役員や選手の滞在中の医療と開催日の会場内観客の医療中心医療機関を大学病院、後方支援病院を塩釜市立病院、掖済会病院および中嶋病院として対応し、JAWOCドクター(べガルタ仙台ドクターを中心として39名)と看護師24名など総勢74名が参加。

Bグループ:期間中の市中の医療塩釜地区および仙台市の救急病院を中心として対応。

Cグループ:キャンプを行ったイタリアチームの医療相談キャンプ会場に近い仙台徳州会病院が担当。

Dグループ:集団災害やテロ対策大学病院の救急部を中心とした医療チームと消防隊、警察隊および自衛隊で対応。

 以上4グループの活躍で、開催中の医療で大きな問題は起きませんでしたが、なにしろ誰も経験したことのない大きな大会であることから不安を抱えての開催でした。幸いにもDグループが大活躍する場面には遭遇せずに終了したので、関係者一同ほっとしております。

 Aグループに携わった私達はべガルタ仙台で何年も前から訓練していましたが、本番はやはり緊張しました。医務室(役員及び選手対応)と救護室(観客)4ケ所にドクター2名と看護師1名、補助員1名、通訳は2ケ所のみに配置での体制でしたが、多い救護室で1試合で17名の患者さんが訪れました。ドクターは会場内で無線機をみんな持って連絡し合っていましたが無線機がうまく聞こえない場所もあって結局会場内を走っていって現状を把握する場面もありました。

 救護室を訪れた患者さんは3日間で107名でしたが、その疾患には特徴があって集団心理との関係が見られておもしろかったので最後に記載します。

 初戦は暑い日ざしの中、ラテン系のメキシコ対エクアドルの試合だったせいか、酔っぱらいと日射病が主でした。第2戦は、強い風の中、優勝候補と言われたアルゼンチンが出場しました。強豪がつぎつぎ消えていく中、アルゼンチンも調子が出ず、結局負けてしまいました。患者は頭痛、腰痛などが主でした。実際いらいらする試合進行で頭が痛くなるような試合でした。第3戦は雨の中ではありましたが、待ちに待った日本の登場で、観客は期待に胸膨らませていたと思います。しかし、救護室を訪れた日本人を中心としたほとんどの患者が胃腸炎であったことを思うと、負けるのではないかと心配しての神経性胃腸炎と思われるふしがありました。

[ Updated: 2002.7.27 ]

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