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ドクターMのメディカルアドバイス
宮城県サッカー協会 医事委員長・大泉記念病院院長 松本 純
 
VOL.6 ドーピングについて
 

 ドーピングという言葉は聞いたことがあると思います。スポーツ選手が良い成績をあげるために、興奮剤や筋肉増強剤などの薬を使用したりすることです。昔、自転車競技やバトミントン競技でドーピングを行った選手が死亡したことから、選手の健康を守るために検査制度が設けられましたが、良い成績をあげるために薬などを使用するということがスポーツのフェアープレイ精神にも反していることから、現在はオリンピックはじめ各種競技で取り入れられています。興奮剤、麻薬、筋肉増強剤(ステロイド)などは、どんな競技でも対象になりますが、射撃などの競技ではβ−ブロッカー(脈拍安定剤)などが特別に禁止薬になっています。

 実際のドーピング検査は、試合直後に選手の尿を検査するわけですが、いつの場合にもずるい人はいるもので、尿に禁止薬が発見されなければ良いと、いろいろな手を使って隠そうとします。例えば、普段は筋肉増強剤を使っていても、試合前に利尿剤を使ってすっかり出してしまうというものです。このため、今では利尿剤も禁止薬を隠してしまうという意味の「マスキング剤」として禁止薬になりました。また、ドーピングを隠すために、他人の尿を隠し持っていて自分の尿のように提出することは「物理的ドーピング」として禁止されています。

 さらに高級な手口としては、まず自分の血液を採っておいて高地トレーニングを行い、ヘモグロビンが増えた所に試合前に採っておいた自分の血液を輸血するという行為があります。これにより、さらにヘモグロビンが多くなり酸素供給が増えるのでマラソンなど持久走競技で有利になりますが、これも「血液ドーピング」として禁止されています。この「血液ドーピング」は、尿では検出できないことがあり、血液検査が必要になります。実際今回のワールドカップでは尿検査の他に初めて採血による血液検査も行われたのであります。

 また、自分のライバルの飲み物に禁止薬を入れておいて失格にさせようというものを「パラドーピング」といいますが、これはすでに犯罪の域でしょう。

 日本のサッカー界では、実際のドーピング検査にはひとり3万円程の経費が必要となることから、Jリーグで時々行われるくらいで、地方大会や生徒、学生、社会人大会などでは行われていませんが、選手の健康、フェアープレイ精神に反することは、やはりスポーツを愛する人にはやってほしくないものです。

[ Updated: 2002.12.10 ]

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