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テクニカルコラム
宮城県サッカー協会 技術委員長 櫻井 覚
 
VOL.9 女子サッカーを広めよう
 

 前稿で「サッカーの広がり」についてふれましたが、本稿ではその「広がり」に欠かすことのできない女子サッカーを話題にしたいと思います。

 サッカーは、男子だけのスポーツではありません。サッカーの本質や魅力は、性差を越えるものであり、全ての人に愛好されるべきものです。一時期、Lリーグの全盛で女子サッカーがシェアを拡大しかけましたが、現在は、残念ながら広く普及しているとは言い難い情況です。

 宮城の話をしましょう。今年の全日本高校女子選手権は、決勝を宮城県勢で争い、優勝が常盤木学園、準優勝が聖和学園(昨年度優勝)でした。国体においては、YKK東北フラッパーズが3連覇こそ逃しましたが堂々の2位。YKK東北の大部由美選手と佐藤春詠選手は、日本代表選手。女子U-19日本代表には、常盤木学園の佐藤愛選手と聖和学園の渡辺夏奈選手(両選手ともに宮城県出身)。この他に、代表候補になっている選手がたくさんいます。U-14、U-12のチームも、東北では負け知らずで、全国のトップを目指して頑張っています。

 このように宮城は、女子サッカー王国と言ってよいほどの実力と実績を備えています。国体や女子U-18の東北大会を最近観戦しましたが、多少スピードやパワーに欠けますが、フィジカルを補って余りある技術や戦術を彼女たちは備えています。一例を挙げれば、ワンタッチプレーの多さ。このプレーは、周囲の状況の把握と素早い判断、そして正確な技術を必要とします。パススピードの問題を差し引いても、彼女たちは、サッカーの面白さ、醍醐味を十二分に表現出来ていると言ってもよいでしょう。

 トップがこのようなレベルの場合、当然これらを支える底辺は広がっていなければなりません。しかし、現実は…。県内にある小学生の女子は2チーム、中学生は4チームのみです。その他の女子選手は男子中心のチームに所属しています。小学生年代は男子に交じってプレーしても構いません。中学の女子選手も中体連でのプレーが可能ですが、男子部員の中で効果的なトレーニングができているとは言えませんし、サッカーから離れてしまう選手も多いようです。

 このように、宮城サッカー王国はトップの努力によって成立している部分が大きいのであり、彼女らの築き上げた実績を支える土台は非常に脆い状況であるとの認識に立たなければなりません。

 女子サッカーの課題は明白です。現在、女子委員会のメンバーを中心に、普及活動を進めています。各地域の関係者と協同して、サッカーの好きな女の子が存分にプレーできる環境を作っていくこと。そして、出来るだけ多くの方々に女子サッカーを理解していただき応援してもらうことです。

 ちなみに私は、本質は変わらないはずなのに、男子とは異なったサッカー表現をする女子サッカーに魅力を感じ始めています。

[ Updated: 2002.10.4 ]

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