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テクニカルコラム
宮城県サッカー協会 技術委員長 櫻井 覚
 
VOL.10 基礎・基本の重視
 

 コンサドーレ札幌の今野選手を始め各カテゴリーの代表でプレイする宮城県選手が増えてきました。しかし、宮城のレベルが着実に上がっているか?全国で闘っていくだけの力が付いて来ているか?と考えると、解決されなければならない課題が山積しているのも事実です。技術的、戦術的な未熟さやフィジカルの貧弱さもさることながら、「基礎・基本の重視」「主体的なプレイ」という2つの観点から問題提起をしたいと思います。

 今回は、「基礎・基本の重視」についてです。

 宮城の選手は、ボール扱いも上手だし、基本的な戦術についてもよく知っています。しかも同等レベルのゲームでは、その技術や戦術はいかんなく発揮されています。しかし、相手のレベルが上がるにつれて、そのパフォーマンスは影を潜めていってしまうのです。これがこれまで繰り返し述べてきた「そこそこうまい」宮城のレベルなのです。私は、「応用できる基礎・基本を身に付けていない」「基礎・基本を成長させることが出来ない」ことに、大きな原因があると考えています。

 戦術的にも技術的にも「基礎・基本」は、サッカーを成立させるための大切な必要条件となっています。しかし、ゲームで発揮することのできない「基礎・基本」は、勝利を得るための十分条件を満たしているとは言えません。物理の公式は暗記したけど使い方が分からないのと同じです。戦術的な知識が身に付いているというのは、まさに流動的なゲームの局面にあって、多くの選択肢の中からより有効であろうプレイを選択できることであり、基本をベースに多くのアイディアを生み出せることです。また、技術が身に付いているというのは、戦術と結びついたところの技術発揮ができることであり、厳しいプレッシャーの中での技術発揮ができることであることは言うまでもありません。

 これらの「応用できる基礎・基本」を常に思考や判断を伴わせながら発揮出来るとともに、その経験を重ねることによって「基礎・基本」のレベルを向上させて行かなければなりません。つまり、自らの知識と経験を駆使し、絶えずよりよいプレイを志向する意思と姿勢を持ったプレイヤーだけが、応用問題しか存在しないサッカーゲームで自らの基礎・基本を発揮できるのです。また、このような資質を備えたプレイヤーは、問題の解決能力に優れていますので、プレイする環境のレベルが上がってもその変化に主体的に対応できるようになるのです。

 また、この「基礎・基本」の習得には、上述の質とともに量的なトレーニングが不可欠であることを忘れてはならないでしょう。往々にしてパターン練習を繰り返して終わりということが多いようで、最近、キックやヘディングと言った技術レベルの低下が顕著です。時には明確な目的意識や実戦のイメージを持たせたドリルトレーニングに時間を割くことも必要でしょう。また、到達レベルを明確に選手に伝え、妥協を許さず達成を強く要求したりしていくことも必要だと考えます。良質なスキルの習得があってこそ、クリエイティブなプレイも可能になるということをもう一度確認しましょう。

[ Updated: 2002.11.6 ]

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