育成強化・審判・指導者
女子トレセンの取組み
宮城県女子トレセンは、「クリエイティブでたくましい選手の育成」、「選手の個々のレベルアップを図ること」、「ナショナルトレセンへの選手輩出」を目指し活動しております。
2022年栃木国体から始まる「国体少年女子の部(U-16)」で活躍できるチームをつくるため、小学生年代から女子選手のサッカーに関わる環境を途切れさせないこと、強化面でU13に繋げていくことを念頭に各年代別に細分化した指導を行い、各年代の指導者が種別を超えて協力しあい、選手の成長を促しております。
小学生のトレセン活動
2021年度より「女子トレセンU12」として、女子選手のみで活動を実施いたします。
対象となる選手は、県内10ブロックの6年生の中から、各ブロックから推薦された選手(30名程度)で年間を通じ活動します。「女子トレセンU12」で活動している選手の中から、毎年2月実施の<東北ガールズエイト(U-12)サッカー大会>に参加する選手を選考します。
中学生のトレセン活動
「女子トレセンU13・U14・U15」として、女子選手のみで活動を実施いたします。
対象となる選手は、チームに所属している中学生女子選手(高1早生まれ含む)で、選考会を実施したのち、年間を通じ活動します。
国体選手への道のり(少年女子/成年女子)
2022年栃木国体から「少年女子」が創設されます。宮城県では2021年度より「女子トレセンU16」として高校1年生(高2早生まれ含む)以下の選手で活動を開始します。
大会実施年に「女子トレセンU16」から選手選考し、本国体予選会に出場します。
また少年女子創設により、成年男子・成年女子は隔年での実施となります。「成年女子」は、大会実施年に数回の選手選考会を実施したうえで、メンバー決定し、本国体予選会に出場します。
女子審判員
公平に・安全に試合をするために重要な役割を果たすのが「審判員」です。
県審判委員会女子部では、女子審判員の「発掘」から「育成・強化」を行っております。
発掘のきっかけとして、女子チームを対象に女子審判トレセン(4級講習会)を実施し、座学を通じ競技規則・審判への理解を図り、トレーニングを通じ審判法の実践を学びます。
女子チームやその選手にとっても、競技規則を学ぶことは非常に重要な機会となります。
この活動を通じ、意欲のある審判員の発掘と継続的なサポートを行い、3級昇級へと「育成」しております。リーグ戦を活用したフォローアップや、シャドートレーニングを行い、1人で審判をすることに不安を抱える審判員に対し、競技規則理解や、審判技術向上について一緒に取り組んでおります。
宮城県に登録する女子審判員数
(※2021年3月末登録状況より)
競技 | 級 | 人数 | 技能 |
---|---|---|---|
サッカー | 女子1級 | 1名 | JFAが主催・管轄する女子サッカー競技、もしくは2種・3種・4種の試合を担当 |
2級 | 10名 | 地域サッカー協会が主催する試合を担当 | |
3級 | 16名 | 県サッカー協会が主催する試合を担当 | |
4級 | 153名 | 県サッカー協会を構成する支部、地区サッカー協会の参加の団体、連盟等が主催するサッカー競技の試合を担当 | |
フットサル | 2級 | 2名 | 地域サッカー協会が主催するフットサル競技の主審及び第2審判を行う技能を有する |
3級 | 0名 | 県サッカー協会が主催するフットサル競技の主審及び代2審判を行う技能を有する | |
4級 | 14名 | 県サッカー協会を構成する支部及び地区サッカー協会の参加の団体・連盟等が主催するフットサル競技の主審及び第2審判を行う技能を有する |
女子審判員紹介
〜サッカーには選手としてだけではなく、審判員としても携わることができます〜
女子審判員の多くは、「選手」として活動経験があります。現役中や引退後に審判活動に興味をもち、「選手」としてではなく「審判員」として、サッカーに携わることを選択し、現在様々な試合で活躍している2名の女子審判員をご紹介いたします。
女子審判員 杉野 杏紗 (女子1級)

JFA女子1級審判員の杉野杏紗です。
2021年から国際主審登録となりました。今のこの状況下で自分が出来ることに挑戦しています。私にとってサッカーは大切なものです。小学生から社会人まで約20年プレーをして、多くの仲間と出会い、多くの経験をさせてくれました。そのサッカーに恩返しがしたい、そんな気持ちを表現するために選んだのがレフリーです。レフリーは、選手と感覚が近いと思います。レフリーは1試合全体で選手と同じくらい、またはそれ以上走ることもあります。判定が必要なところを予測してポジションを取り、選手同士のプレーをよく見て、確認します。そして選手のプレーに連動して、考え、判断し続けます。そしてミスは結果に影響します。そうならないために全力で向き合います。選手時代に教わったこと、培ったことが本当に活きていると思います。何よりワクワクするサッカーを目の前で体感できるのは、面白いです。
もちろん、大変なこともあります。それでも、選手、チームが輝けるように、公平公正にレフェリングをするために、努力し、挑戦することは、選手・指導者・審判員、サッカーに関わる全ての方々がしていることと変わらないと思っています。これからも選手のために全力で頑張っていきたいです。
少しでも、レフリーに興味を持って、トライしていただけたら幸いです。
女子審判員 勝又 美沙希(2級)

審判を本格的に始めたのは、大学に入ってからです。高校の時から練習試合などで副審をやっていましたが、大学に入ってから父に勧められました。また当時の大学の先輩が審判の資格をもっていたこともあり、少しずつ興味を持ち1年生の終わりから4級をとろうと思い審判活動を始めました。今目指しているのは、まず女子1級になることです。最終的には国際審判員になってワールドカップの主審になるのが夢ですが、女子1級にならないとなにも始まりません。そのためにはひとつひとつ丁寧に試合をすることと,選手のために、また観る人が感動できるような試合をすることを頭に入れながら審判をしています。そして、世界で活躍している手代木さんや杉野さんのように堂々とジャッジできる審判員になりたいです。
審判員の魅力は、選手がプレーしているのを一番近くで見れて、そして選手とコミュニケーションがとれることです。女性の審判は割と軽く見られがちですが、試合の中でコミュニケーションをとっていくと自然と関係性が築かれ、試合中や試合終わりに「ナイスジャッジ!」や「試合よかったです!」言われることがすごくうれしいです。
また、選手同士でファールしても手を取り合ってリスペクトしている姿をみてサッカーって本当に素晴らしいスポーツだと思います。選手だけではなく、審判員という道も素晴らしい選択だと胸を張って言えます。
女子指導者
より多くの人にサッカーを楽しんでもらうためには、それを一緒になって伝える人=「指導者」が必要になります。
「サッカーの指導ってなんだか難しそう」と思う方が大半だと思います。指導にはそれぞれレベルがあり、10歳以下の子どもたちに関わる指導者・保護者で体を動かすことの楽しさを伝える指導者養成、「キッズリーダー講習会」もあります。また資格取得後、レベルアップのため、新しい知識や情報を得るための「リフレッシュ研修会」も実施しております。
また、女性指導者が各チームに増えることで、女の子がサッカーを始めやすい環境になってくると考えております。そのため今後は、女性がより参加しやすい「女性限定」の指導者養成講習会の実施などを検討し、指導に興味をもった女性が、サッカーにより関わりやすい環境整備に取組みたいと思います。
宮城県に登録する女子指導者数
(※2021年3月末登録状況より)
競技 | 級 | 人数 | 主な活動 |
---|---|---|---|
サッカー | A級 | 0名 | アマチュアトップレベルを対象に質の高い指導ができる指導者。また、地域や県の指導者のリーダーとなる人材 |
B級 | 7名 | 子どもから大人を対象に質の高い指導ができる指導者 | |
C級 | 22名 | 子どもから大人を対象とした指導の基礎を理解している指導者 | |
D級 | 24名 | 子どもを対象とした指導者 | |
フットサル | C級 | 2名 | フットサルの基礎を理解し、初心者レベルの選手を指導できる指導者 |
女子指導者紹介
〜サッカーには選手としてだけではなく、指導者としても携わることができます〜
女子指導者の多くは、「選手」として活動経験があります。現役引退後に指導者の道に進む方や、ご自身にサッカー経験がなくお子さんがサッカーをはじめたのをきっかけに、もっと深く知りたいと思いから指導に興味をもつお母さんも増えております。
「選手」や「母」としてではなく「指導者」として、サッカーに携わることを選択し、現在様々な現場で活躍している2名の女子指導者をご紹介いたします。
女子指導者 白旗 由美子(C級・キッズリーダー・キッズインストラクター)

私のサッカーに関わったきっかけは、選手としてではありません。
夫が社会人リーグでサッカーを始め、小さな息子達と一緒に過ごした試合会場やゴール芝生のある大きな公園での家族との楽しかったサッカーボール遊びがきっかけです。
子ども達が少年団に入ってからは、そのママさん達とサッカーを始めチームを作り、選手として活動もしました。
その後、県協会の「キッズプログラム」のスタッフとして関わり、県内の保育施設・幼稚園・児童館や小学校の親子行事、子育て支援教室で指導者としての経験がスタートしました。子ども達のいきいきと活動する姿を見て、体を動かすこと、一歩踏み出してみることの楽しさを少しでも多くの子ども達に体感してもらいたい私の想いから、キッズリーダーインストラクターの資格を取らせてもらい、子ども達の指導に関わる大学生・短大生・専門学生などを対象としたキッズリーダー養成講習会の講師としても活動するようになりました。
「ボールを蹴ることが楽しい」と感じた日から25年も経ちました。サッカー未経験者の私ですが、夫・息子から始まったサッカーとの関わりが、嬉しいことにサッカー活動を通じて新たな出会いや経験が増えていきました。
気付けばサポートしていた息子達のサッカーがいつ頃からか共通の話題を持てる喜びとなりました。選手としてだけではなく、様々な形で長くサッカーの楽しさに触れていただけたら嬉しいです。
女子指導者 落合 恵(B級・仙台大学附属明成高等学校 女子サッカー部 監督)

現役を引退してから短大生の指導に携わらせてもらったことがきっかけで、指導者に興味を持ちました。当時の部員はサッカー経験者が、少なかったので練習の内容や、物事の伝え方にとても悩みましたが、彼女達が直向きにサッカーをする姿や、成長する姿を間近で見ることが出来て、やりがいとともに、熱意を持って接すればしっかり反応してくれるということを肌で感じることができました。
選手として、長年サッカーをやってきましたが、指導という形でサッカーに関われることは幸せなことです。
そして、何より、私と関わった選手が成長し、より上のレベルへステップアップしたり何か目標を達成することが出来れば、嬉しさは一入です。
2011年になでしこJAPANがW杯で優勝したことでサッカーをする女の子たちが増えてはいますが、男子に比べて、東北ではまだまだサッカーができる環境が整っているとは言えないと思います。
サッカーをしたいと思っている女の子に、サッカーを出来る環境を作ったり、入りたいと思えるチームを作るためにも、指導者が出来ることは多くあると思います。女の子がサッカーをより楽しく、そして長く続けたり関われる環境を作りたいと考えています。