女子普及
キッカケは、本物に触れる【女子】スポーツを通した被災地交流事業
「スポーツを通して本物に触れ、新しい仲間が増え、未来への自分と向き合う時間となる」
日本とは正反対の寒い地域でFIFA女子ワールドカップ(以下、W杯)が開幕している中、日本では7月下旬で毎日30度以上の暑さが続き、夏真っ盛り。
熱中症警戒アラートも発令され、一度は事業中止の判断がよぎった今回の交流事業、急遽、冷房設備のある体育館に会場変更し、7/29の当日を迎えました。
今回の事業は、2021年に実施した東京オリンピックがキッカケとなり始まったレガシー事業。東京、宮城、福島、岩手の4都県をスポーツで交流を促すことを目的に実施され、2023年で第2回目を迎えます。(昨年の様子は こちら)
選手はもちろん、関係者や観戦する保護者の安全を優先し、冷房完備の体育館。内容も4人対4人のミニサッカーへ変更。昨年は、通常の小学生サッカーは8人制。その内容から考えれば、始まる前から「もの足りなさ」を感じるのではと不安がありました。この環境下でも一生懸命サッカーに取り組もう!と選手たちの前向きな姿勢に安堵を覚えました。
2試合目より登場した東京選抜チーム。彼女たちの試合に臨む姿勢にさらに心を打たれました。目の前のボールをひたむきに追う、仲間と一緒に工夫し楽しむ、純粋にサッカーに夢中になるその姿が印象に残りました。「東京選抜」は、技術や判断のレベルが高いという印象を昨年の事業でも感じていたところですが、今回は、根本の「サッカーが好き!」を前面に出すプレーに「違い」を見せつけられた気がします。
そして、その姿に影響されるように、他県の選手も盛り上がり、良い雰囲気の中で午前中のプログラムを追えることが出来ました。
午後は、各チームの選手を6つのグループに分けて、クリニック(練習会)とグループ対抗戦。選手がランダムに6グループに分かれることで、選手同士、違う県のサッカー仲間と交流を促す意図がありました。
サッカークリニックを担当したのは、マイナビ仙台レディースのTOPチームの6名の選手とコーチ2名。
サッカーで大切な「コミュニケーションと協力すること」にフォーカスした内容でのW-UP、ボールを使った6グループの対抗リレーと進んでいく中で、その場にいるすべての方に笑顔が生まれ、さらに、グループ同士でのコミュニケーションも生まれました。マイナビ仙台選手達も、1つのグループ1名に配置され、キャプテンのようにリードしながら、マイナビ選手の中心に小学生の選手たちの交流は促されました。
コミュニケーションは、サッカーでも、社会人として生きていく上でも必要なスキルであり、プロ選手と交流する中で、自然と輪が出来る。サッカーを通し、社会に出るための準備が培われていく機会になったと思います。閉会式では各県から代表選手の感想でも、「協力する大切さ」「コミュニケーション」など印象的な感想を述べていたことが、この時間の満足度を確かめることが出来る瞬間でした。
時間にして1~1.5時間の間でしたが、終了後、小学高学年の女子選手達が、マイナビ選手にサインや写真撮影をお願いする長蛇の列ができ、無邪気な小学生の一面も見ることができました。
WEリーグが2021年よりスタートしましたが、まだまだ女子サッカーが盛り上がっているとは言えない状況です。プロ選手達との交流の機会を通し、その認知が促され、そして、「本物と触れる」機会が彼女達を刺激し、将来の自分を考え始める・深く考えるキッカケを与えてくれるのではないかと感じた今回の交流会でした。
今回、会場提供してくださった日本ウェルネス学園高等学校をはじめ、この活動にあたり、急遽の変更に対応してくださった東京都、宮城県、そしてすべての関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。